こんにちわ。
節税・節約コンサルティング、小さな法人・個人事業主のスリム化を叶えるSPRING代表の佐々木です。
今回は小規模企業共済のお話です。
聞いたことのない方もいらっしゃるでしょうが、節税に優れた良い共済です。
わしは、聞いたことないのぉ。
なんや、怪しい保険とかならお断りやで。
大丈夫ですよ。
カンタンな内容とメリットなどについて紹介しますね。
小規模企業共済ってなに?
小規模企業共済って何なの?
保険と一緒?
共済という名前ですが、保険とは少し性質が違います。
まず、小規模企業共済は「中小機構」という公的機関が行っている事業です。公的機関が母体なので、怪しいものではありません。銀行や保険のように、母体が倒産して…ということはないです。
小規模企業共済の加入資格は?
そして、加入資格は次のようになっています。
- 卸売業・小売業、サービス業で従業員5人以下の個人事業主、会社役員
- 上の業種以外については、従業員20人以下の個人事業主、会社役員
会社に付けるもの?個人に付けるもの?
へぇー、個人事業も会社の役員の人でも入れるんだね。
でも、会社でなく、個人で入るものなの?
そうです。
あくまで、個人で入るもので、その効果も個人の所得税の節税効果です。
そう、個人の所得税の削減効果が強いアイテムなのです。
とはいえ、個人事業主はもとより小規模な会社であっても、個人と経営者はほぼ一体ですので、個人の節税は会社の経営安定につながります。
小規模企業共済のメリット・デメリット
ふむふむ、個人の所得税の節税に有効なものなんだね。
具体的にはどういう良いことがあるの?
そうですね。ここからは、具体的なメリットを見ていきましょう。
小規模企業共済のメリット
主に次のようなメリットがあります。
- 小規模企業共済の掛け金は、そのまま個人の所得から控除可能(最大84万円の所得控除)
- 退職時に受け取ることで掛け金の返戻金がほぼ非課税
- 貸付制度を利用することでキャッシュ負担が減る
では、一つ一つメリット見ていきましょう。
小規模企業共済の掛け金は、そのまま個人の所得から控除可能(最大84万円の所得控除)
ちょっと知っているよ!
個人の所得税が減るものでしょ。
そうです。
小規模企業共済の掛け金は、個人の確定申告の時に全額「所得控除」として使えます。簡単に言うと、給与所得、事業所得などの所得の合計からダイレクトに84万円引くことができます。
84万円、税金が安くなるの?
いえ、ちょっと違います。
所得が安くなるのは本当ですが、税金は各人の所得に応じて段階的に上がっていくように決まっています。一番高い人だと所得の55%(住民税含む)もかかります。
所得の少ない人でも20%程度かかりますね。なので、所得の多い人を基準に考えれば、所得税と住民税で46万円も減ります。
退職時に受け取ることで掛け金の返戻金がほぼ非課税
でもなぁ、すごい税金効果があるとはいえ、実際にお金払っとるわけやし。
掛けたお金は本当に戻ってくんの?
はい。基本的に全額戻ってきます。
そして、よく言われることが、次のようなことです。
- 掛けている母体が倒産したらどうなんの?
- 途中解約はできるの?
ここらへんは、当然の疑問です。
しかし、小規模企業共済の母体は「中小機構」という第3セクターです。つまり、国家そのものです。ここが倒産することはまず考えなくて大丈夫です。国が行っている制度ですので、リスクはほぼゼロです。
ただし、途中解約の場合には、マイナスがあることも覚えておきましょう。
基本的には、共済期間が20年未満で自己都合解約すると元本割れします。ですので、私が経営者さんに勧める時には、入ったら65歳まで掛け続けてください、と言っています。65歳まで掛けた場合には、基本的に元本割れすることはありません。
そうはいっても、資金が苦しい時もあるでしょう?
おっしゃる通りです。
その場合には選択肢が2つあります。
一つは掛け金を減らす方法。
小規模企業共済の掛け金は、月1,000円から月70,000円まで設定が自由です。ですので、資金繰りが厳しい時には、解約でなく、掛け金を減らすことです。
二つ目は、貸付制度を利用する方法です。
これは、次のトピックで紹介します。
貸付制度を利用することでキャッシュ負担が減る
お、貸付ということは、融資してくれるんか?
はい、小規模企業共済には独自の貸付制度があります。
だいたいですが、掛け金総額の8割程度を審査なしで借りることができます。小規模企業共済を始めると、『貸付限度額のお知らせ』というものが送付されてきます。その範囲内で即座に借りることができます。
じゃあ…
Maxの84万円/年を掛けて、後で貸付制度で借りると、ほとんで現金減らないんじゃないの?
そうです。
私も実はこれ、やっています。84万円に対する税金の減額効果は46万円。でも、借入で67万円を借りている。実際には、17万円支払って、46万円の税金減額効果を受ける。そんなことも可能ですよ。ちゃんと合法的な方法ですし、制度を知っている経営者の人だと利用している方もいます。
小規模企業共済のまとめ
ふぅむ…相当にメリットの大きい制度じゃな。
しかし、デメリットは書いてないが、いいのか?
デメリットは……
実はあまりない制度なんですよ。
若干資金が減るようにも見えますが、税金の減額効果の方が高いので、当てはまりませんし。
共済制度や資金借入に抵抗がある方には向かない、ということくらいでしょうか。
ということで、本当にあまりデメリットが思いつかない制度です。
個人事業主で一定程度利益が出てる方、小規模企業の経営者で個人所得の節税対策をしたい方にはお勧めの制度です。IDECOやNisaも良いですが、それより前に小規模企業共済をお勧めします。
興味を持たれた方は、お近くの金融機関や商工会議所で申し込みができます。
ぜひ一度パンフなど見てください。
中小機構のリンクも貼っておくね。
小規模企業共済|中小機構
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